“大阪府被災建築物応急危険度判定士
大規模災害発生である大地震や余震により被災した建築物を調べ、その後に発生するさらなる余震などによる倒壊の危険性、外壁、看板や窓ガラスなどの落下、付属設備・機器の転倒・落下などの応急危険度判定を行うことのできる資格を持った人です。人命にかかわる二次的災害を防止する判定を行います。
応急危険度判定士が行う応急危険度判定は、被災した市町村に設置された災害対策本部からの要請によって実施されます。その際、応急危険度判定士はボランティアとして建築物の被災状況の応急危険度判定を行います。 なお、応急危険度判定は判定士が2人1組となって建築物の外観を目視し行います。判定後、「調査済」(緑)、「要注意」(黄)、「危険」(赤)のうちのどれかを見やすい箇所を判定した建築物に掲示し、居住者をはじめとした一般人に状況を知らせます。なお、「危険」が出た場合は立入禁止となります。
“既存住宅状況調査技術者
既存住宅状況調査技術者が既存住宅状況調査方法基準に基づいて行う調査を「既存住宅状況調査」(インスペクション)といいます。
これまでは建築士の資格を持っていなくても取得可能なインスペクションの資格もあるため、建物の構造や材料などについての知識不足により検査結果のムラが生じやすいという事実がありました(建物経験が明らかに不足する人が住宅診断をするということが実際に少なくありませんでした)。
「既存住宅状況調査技術者」は、その状況を国が主導して改善するために打ち出した策といえます。
主な理由は以下の項目が挙げられます。
・既存住宅状況調査(インスペクション)の質の確保と向上
・公正かつ客観的に検査が実施できる優良な人員の確保
この新しい資格制度により、既存住宅状況調査(インスペクション)が社会一般の信頼を得て普及していくことと、安心して消費者が中古住宅の取引を行えるようになることで既存住宅流通市場の活性化を図ることが目的とされています。
建物の「お医者さん」の資格ですから基礎となる最低限の資格保有が前提となります。「既存住宅状況調査技術者講習登録規程」に基づいた受講には、「建築士」であること(一級建築士、二級建築士、木造建築士のすべて)が必須とされています。既存住宅状況調査技術者が行う既存住宅状況調査(インスペクション)とは、構造耐力上主要な部分(基礎、壁、柱など)に生じているひび割れや、屋根、外壁等の雨漏り等の劣化事象、不具合事象の状況について目視や計測等により調査するものです。破壊検査、瑕疵の有無の判断、建築基準関係法令への適合性の判定等は含みません。
“耐震診断士
既存木造住宅を対象に一般診断法では難しい家屋の耐震に対する強さを数値化(評点)して診断します。
耐震診断は、一般財団法人 日本建築防災協会が発行している2012年改訂版「木造住宅の耐震診断と補強方法」の一般診断法に準拠している一般診断法では詳細な検討を建物の全ての部位では行わず代表的な部位で平均的な評価を行うこととなります。主として評価される部分は壁の強さ、壁の配置、劣化度、柱と壁の接合部分等であり、目視・非破壊にて検査を行います。調査時においてどのように判断すればよいかが曖昧な場合は、原則として「安全側」=より評価が低くなるほうに判断することとなります。
耐震診断の方法には「精密診断法」と「一般診断法」があります。「精密診断法」では、原則として仕上げ材を一部解体して調査をしなければ判断することが難しい診断法となっています。そのため弊社では、非破壊調査で一定の精度を確保できる「一般診断法」を推奨しています。
なお、自治体の補助金利用には自治体が定める診断法で診断を行う必要があります。
“二級建築士
二級建築士の仕事内容は、主に2つです。
① 設計業務
建物を建てる際には、「どういった構造にするか?」「安全性はあるか?」「必要な設備はなにか?」「実用性は十分か?」「依頼者の要望にかなっているか?」「どういったデザインがよいか?」「法令に準拠しているか」など、さまざまなことを考えて設計を進めていきます。 実は建築士の資格を持っていなくても設計・工事監理ができる範囲はあるのですが、構造的にも性能的にも満足のゆく、法規的にも問題がない設計をすることは難しいと言えるでしょう。 また、建物を建てる際に何より大切なのは「安全性」です。
建築士法では、建築物の安全性を確保するために建築物の規模に合わせて各種建築士が設計・工事監理することが義務づけられています。 建物や土木に関する知識を十分に持った二級建築士が設計することで、安全かつ、実用的な建築物が建てることが可能になります。 設計作業は建物を建てる際の基盤であり土台である非常に重要な工程です。
② 工事監理業務
設計をしたら職人に建築工事を任せて終わりではありません。つくられた設計図どおりに正しく建築が進行しているのかを確認していく必要があります。
ここでしっかりと監修をしないと、設計図が正しくても安全性が欠けた建造物が完成してしまう可能性も大いに考えられます。 そのため設計をした二級建築士もしくは資格を持った他の建築士が工事監理人となり、現場を監修して建築を進めていきます。
また、建造物が完成した際には、工事完了検査の報告書に建築状況を記載し、建築局などに申請する必要があります。ここで、記載部分と実際の建造物に相違があると手直し工事が必要になり、申請した時期によっては行政処分を受ける可能性もあります。 そういったトラブルをなくすために知識と資格を持った建築士が現場の工事管理業務も担います。これは設計以上に大切な工程です。
二級建築士は、木造および鉄筋コンクリート造、鉄骨造、石造、れん瓦造、コンクリーブロックト造、無筋コンクリート造の建物の設計が可能です。 木造建築の場合は、高さが13メートルまたは軒の高さが9メートルを超えないもの、 木造以外の鉄筋、鉄骨造などの場合は延べ面積が30平方メートル~300平方メートル、高さが13メートルまたは軒の高さが9メートルまでの建物の設計をできるようになります。